がん治療

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溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
がん治療において、その過程で失われる体力をどのように回復させるか、またどのように低下を防ぐのか。これらは大きな問題点であるにも関わらず、現在の治療ではなかなか考えられていないことです。
意外に、体力的なことをしっかりと補うことにより、免疫が下がらずにいられ、風邪をひきにくく元気でいる時間が長い、ということがあります。
体力を落とさないということを治療目標に取り入れるだけでも、得られることがあるのです。

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がんと栄養の本がいよいよです
JUGEMテーマ:健康


2ヶ月ぶりのこちらのブログへの投稿になってしまいました。

それだけではないのですが、がんの本の執筆の期限が迫り、資料を集めているとどんどんと書きたい内容がふえてしまい……という言い訳です。

さてこれからカナダの学会へ向かいますが、今年もがんの治療についての演題があります。
また本で紹介したくなったらどうしよう……と心配しています。

ちょっとフライングですが、本の内容を少しだけご紹介します。

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▼ がんになったら糖を控えて肉を食え

がん細胞は、分裂を繰り返し増殖し転移するために必要なエネルギー源を血液中のブドウ糖から得ています。
がん細胞のブドウ糖消費量は正常細胞の約6倍と言われ、がんが身体に存在すると、まさに大量のブドウ糖が血液中から消費されてしまうことになります。そのため多くのがんでは、時に低血糖発作を起すことになるほどです。

このことは、糖尿病の患者さんではある種のがんの発症率が糖尿病でない場合よりも高くなる理由のひとつとなります。
つまりがんはブドウ糖が大好きで、血液中にブドウ糖があふれていると、生き生きと活動性が亢進し仲間を増やす作業を刺激することになるのです。
がんを早期に発見することができる検査にPETという方法があります。これは特殊な操作で変化したブドウ糖に似た構造を持つ物質を点滴で注入し、その物質をブドウ糖と間違えて取り込んだ小さながんを見つける画像診断法です。

がんが存在すると、身体の組織から血液中へ大量のブドウ糖が供給されるように身体が変化させられてしまいます。
正常の状態では、血糖値が低くなってくると肝臓を中心として糖新生という機能が働きます。
ところががんがあると、肝臓での糖新生が常にフル回転となり、血液中のブドウ糖濃度である血糖値が低くなくても肝臓からの血液中へブドウ糖が供給し続けられてしまうのです。肝臓における糖新生の材料は、糖原性アミノ酸です。これは主に筋肉に多く含まれるため、がんが存在するとその活動のエネルギー源であるブドウ糖をつくるために、大量の糖原性アミノ酸が消費されることになります。
その結果としてがんの患者さんは、筋肉がやせて来て手足が細くなり頬がこけるようになってきてしまうのです。

がんの食事療法で肉や卵などの動物性タンパク質を控えることを指導されることがあります。
というか多くのがんの食事療法で肉を控えることが強調されています。その理由には、がんがタンパク質を利用して大きくなることが書かれます。

これまでのがんにおける糖新生の亢進の理由をご理解いただければ、がんは食事中に含まれている動物性タンパクを利用するのではなく、食事の中にどのような種類のタンパク質がいかなる量含まれているかに関係なく、がんは自らの活動に必要なエネルギーを得るために、宿主である患者さんの筋肉を利用してブドウ糖を作り出していることを納得いただけると思います。


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この文章の前後には、それぞれが関係した内容をしょうかいしていますので、とつぜんがんには肉食だぁ〜〜というのではありません。
がんと栄養の関係についてを、しっかりとお伝えする内容になったのではないかと思っています。
カナダ往復の飛行機は絶好の原稿チェックのための時間になりそうです。
| ひとりごと | 11:07 | comments(3) | trackbacks(0) |


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コメント
知人にもこの本を勧めたいと思います。もともと甘党でガンになり、手術の翌日にはケーキを食べたとのことでした。再発防止のためにも正しい知識が必要ですね。
| 鍋つかみ | 2011/04/28 1:08 PM |
最近、糖尿病ご専門の江部先生のブログも読んでいるんですが、体内で糖質がどのように利用・代謝されるのか、という仕組みや、人間は糖質以外の食事でエネルギーをまかなえる、いや、むしろそうした方が健康によい、というような仕組みを知って、目からうろこが落ちまくりです。

溝口先生のご講演もはやく全文を読んで勉強したいです。楽しみにしています。
| わたなべ | 2011/04/28 3:36 PM |
溝口先生はじめてのコメントです。親友ががんを患いました(>_<)私は精神の方で先生にお世話になっておりますが、この度の本は親友の助けになれば…と心待ちにしています。先生に質問なのですが、京都府立医大の古川敏一教授の先ほど出版されましたがん治療についてご高察頂ければ幸いです。お願いします。
| りえ | 2011/05/12 9:46 PM |
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詳しくは、ブログ『統合失調症、低血糖症、うつ病』2013.1.23の記事をご覧ください。







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