がん治療

がん治療
ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
がん治療において、その過程で失われる体力をどのように回復させるか、またどのように低下を防ぐのか。これらは大きな問題点であるにも関わらず、現在の治療ではなかなか考えられていないことです。
意外に、体力的なことをしっかりと補うことにより、免疫が下がらずにいられ、風邪をひきにくく元気でいる時間が長い、ということがあります。
体力を落とさないということを治療目標に取り入れるだけでも、得られることがあるのです。

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高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

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がん細胞の特徴とは?
私たちの身体は、約60兆個の細胞から成り立っています。
この一つ一つの細胞が、その機能を十分に発揮できるようにしてあげる治療が分子整合栄養医学になります。

いわゆる正常細胞が60兆個集まって身体を形成しているのですが、私たち人間は高度な機能を発揮するために複雑な臓器を形成しています。

脳、筋肉、皮膚、骨、神経、心臓、肝臓、腎臓、胃、大腸・・・・・・・・・

これらの臓器を構成する細胞は、それぞれの臓器の特徴が発揮できるように、構成する細胞も特徴的な構造をしています。

たとえば、肝臓は薬を代謝したり様々な物質を代謝したりするために多くのエネルギーを作る必要があります。そのために肝臓の細胞は、ミトコンドリアというものを他の臓器や組織よりも大量に有しています。ミトコンドリアには鉄を含む酵素が大量に存在するために、ミトコンドリアを有する細胞は赤くなる傾向があるのです。肝臓(レバー)が赤黒く鉄をいっぱい含んでいるというのはそのためですね。

また脳神経の細胞の特徴としては、高度な情報を瞬時に身体全体へ伝える必要があるため、他の臓器の細胞とは異なり樹状突起という枝を多く有しています。情報を正確に素早く伝えなければ、頭が働かないとかボーッとしてしまうような感覚、あるいは動作が鈍くなったりするのです。その情報を伝える大切な樹状突起を覆っている鞘があるのですが、その成分がコレステロールになるのです。新宿や八重洲のクリニックで、コレステロールが低いことを問題として指摘するのは、そのためでもあるのですね。

くどくどと書きましたが、身体を構成する細胞はそれぞれの組織や臓器によって特徴ある構造をしているということです。
そして、一方では60兆の細胞は基本的に皆同じ形をしているともいうことができます。肝臓のところで説明したミトコンドリアですが、他の臓器の細胞にも存在します。肝臓には数が多いと言うだけです。
皮膚の角質を構成する細胞や、赤血球などは細胞にある核を失った特殊な細胞ですが、すべての細胞には共通する構造があります。

細胞膜があり、核があり、ミトコンドリアがあり、小胞体があり・・・・

そして正常細胞は、核によって自分の働きが制御され、寿命も決まっており、お行儀よく形作り、お互いをじゃましないように存在しているのです。

一方がん細胞はどうでしょう?
無秩序に増殖し、お隣の組織や臓器をじゃまして機能を傷害します。自分の増殖のために栄養素をどんどん吸収し消費し、自己の拡大を続けます。
このような特徴があるために、がんは病気として扱われ、何とかして取り除かねばならない存在として認識されているのです。
| がん一般 | 08:41 | comments(0) | trackbacks(0) |


ある肺がんの患者さん その2
右肺に大きながんが見つかっても、『なんの治療もしない!!』と宣言され、その後もたんたんと2週間に一度の来院を繰り返してくれていました。

約3年が過ぎた頃、新宿のクリニックを開設することになり、辻堂の診療が週に1回の診察になってしまいました。
いただいた数十年前のかばんも取っ手の部分が壊れ、修理に出しました。

いつの頃からか、辻堂の外来でもお会いすることがなくなりましたが、時々奥様が腰痛で受診されていたので、その時に経過をお聞きしていました。
少しだけ認知症状が始まり、1人で通院が困難になっているとのことでした。
しかし、相変わらずタバコを好きなだけ吸い、好きなものを好きなだけ食べ、読書にふけり、淡々と毎日をすごされていたそうです。

平成18年の健康診断では、胸のレントゲン写真ではっきり写っていた肺がんが消えていました。もちろん単純レントゲン写真ですので、様々な条件で腫瘍が見え辛くなるのですが、明らかに見えないのです。もちろんCTなど詳しい検査をすると腫瘍はあったでしょうが、きっと小さくなっていたことでしょう。

そして昨年末、急変され入院されていることを奥さまから聞きました。その急変もがんが原因ではなかったそうです。
入院後、すでにほとんど意識が不明の状態であることをお伺いしました。
辻堂の診療後に、お見舞いにお伺いすると、奥さまやお子さんたちに囲まれて、酸素マスクをした状態で休まれていました。呼吸はあごを使わなくてはなかなか息がすえない状態です。
手を握って、肩をたたきました。

『○○さん、溝口ですよ!!かばんは修理して使っていますよ!!分かりますか??』

耳元で大きな声で呼びかけると、目をはっきりと開け、手を強く握り返してきてくれました。はっきりと覚えていないのですが、『いよいよダメだよ』と言ったと思います。

その2日後にお亡くなりになったのですが、後日奥さまから聞いたところによると、僕が会いに行った2日前から意識がなく、僕と話したあとも意識がずっと無かったそうです。奥様からは、私が幾ら呼んでも起きなかったのに、先生が来たら話までして!!と言われました。

はたして、この患者さんが肺がんが見つかったときに、外科の先生が進めるように手術をして、その後に化学療法を行っていたら、今回のような経過をたどられたでしょうか?
もしかしたら生存期間は延長したかもしれませんが、生活の質は保つことができなかったでしょう。

全く手をつけずに経過を見たのは、後にも先にもこの患者さんだけです。
しかし、がん治療についての多くを教えてくれるのではないかと思うのです。
| ひとりごと | 22:40 | comments(5) | trackbacks(0) |


ある肺がんの患者さん その1
今日ご紹介する患者さんは、辻堂のクリニックで関わった方です。
辻堂のクリニックを開業してまもなくから、風邪や腰痛などの症状の治療のために来院してくれていました。

大正生まれの男性です。
175cmぐらいの長身で、和服に帽子をかぶり、オシャレなステッキをもっての受診です。何度も受診してくれるうちに僕のことをとてもかわいがってくれました。
勤めていた頃に使っていた思い出のつまった皮の鞄をくれました。
『俺の最期は、先生に頼んだよ。』
いつの頃からか、そう言って診察室を後にするようになっていました。

毎年受けていた藤沢市の健康診査で、胸のレントゲン写真に異常が見つかったのが、平成14年でした。胸部のCT検査をしたところ、すでに大きな腫瘍になっていました。
近くの大きな病院へ紹介したところ、紹介先の先生から下記のようなお返事をいただいのです。

”内視鏡を使った詳しい肺がんの検査を強く勧めましたが、
『現在症状がなく、このまま様子を見たい。たとえガンであっても手術など受ける気は全く無い』と話されています。そして今後も貴院でのフォローを希望されております。”

こうして、この患者さんは大きな肺がんを右肺に持ちながら、いままでどおりに僕のところを受診されることになったのです。定期的に行う画像診断では、若干の腫瘍の増大がありましたが、食欲も旺盛でありもっと元気になるためのアドバイスを求められました。
たばこを止めることも無く、毎日をたんたんと楽しまれているようでした。

| ひとりごと | 23:10 | comments(0) | trackbacks(0) |


がんの治療は特別?
お医者さんへ行ったときに、

「しばらく様子を見ましょう。」

と言われて、帰されたことがありませんか?
あるいは、「とりあえず軽いお薬をだしておきますので・・・」みたいなコメントです。

これらのお医者さんのセリフは、ある意味自然に任せて経過をみたいということになります。患者さんとすると、「このお薬が絶対に必要で、そうすれば○日で良くなりますよ」
という力強いコメントを期待するのに、なんともたよりないように感じるかもしれません。僕は辻堂のクリニックでは、患者さんへ「そのまま放っておいてください」と言うことがあります。
慣れている患者さんは、そう言われたことで安心して帰る方も多いのですが、「?!」となる方もいらっしゃいます。

ところががんに関しては、そんなことを言う医者はいません。
「そのまましばらく様子を見ましょう!」
がんという病気の特殊性を考えると、ありえないコメントですね。

事実、あらゆるがんの自然経過と言うものを、ほとんどの医師は経験したことがありません。頑固にあらゆる治療を拒み続けましたが、しっかりと検査だけは受けていたという胃がんの患者さんの経過が、有名な消化器病の雑誌に載ったことがあります。
つまりほとんどの医師は、がんの自然経過を知らないと言うことです。

あるがんが見つかった。
  ↓
手術、化学療法、放射線療法をする。
  ↓
腫瘍が小さくなった。あるいは一時的に見えなくなった。
  ↓
再発が見つかり、また標準療法をする。

こんなことを繰り返しています。
そして、マイナーチェンジした薬や手術法によって、どれだけ5年生存率が改善したかなどを大きな学会で報告しあっています。

このような一般的に行われている治療が、何もしなかった人と比較してどれだけ効果があるのか?

本当はこのことが大切なことです。

僕のこれまでの短い臨床経験で、お1人だけ肺がんが見つかってから、何の治療もしなかったという方がいらっしゃいます。
次回は、その方の経過についてお話しようと思っています。



| ひとりごと | 18:39 | comments(0) | trackbacks(0) |


がんを治す・・・?
自分の祖父が手もつけられない末期のすい臓がんで見つかり、一度も退院することなく亡くなったことが、もしかすると自分が医師を目指す1つのきっかけになったのかもしれません。
ただ、その理由にがんを撲滅しよう!とか、自分ががんの専門医になってがんを治そうなどということは微塵も考えていませんでした。

現在のがん治療においては、がんの根治ということが当然最大で最終の目標になっています。
しかし、がん治療の効果の判定は、腫瘍マーカーの低下や画像診断におけるがん腫瘍の縮小をもってして行っています。
ホッファーとポーリングの共著である、『Healing Cancer』では、これらのマーカーについては触れていません。
がん患者さんの生存日数で評価しています。
何人もの患者さんが、5年、10年、20年という単位で元気にされていることが本文で触れられているのですが、そこにはがんの大きさが小さくなっているとか、腫瘍マーカーが下がっているということには、全く興味がないかのように扱っていません。

がんという病気の持っている特殊性は、生命を脅かす病気であるということです。
ということは、その治療効果は、生存がどれだけの期間行えたかと言うことで評価することの正当性は理解できます。

手術、化学療法、放射線療法などの標準療法の場合には、それらの治療を行った直後に効果を判定しなくてはならないことは良く理解できますが、それらの効果の判定指標に、腫瘍マーカーや腫瘍の大きさを用いてもよいのでしょうか?

臨床に携わる多くの医師や、がん治療を受けた家族をお持ちの方々には、標準治療を行ったことによって、腫瘍の大きさが小さくなり、腫瘍マーカーも下がったものの、その後に同じ治療を続けていても、あるいは治療を濃厚におこなったとしても、腫瘍が拡大し腫瘍マーカーが上昇したことを経験されたことがあると思います。それは多くあることなのです。

そんなときには、
『次の治療は○○という薬ですが、副作用が強く現在の体力では五分五分です・・』
と言われたことがあるのではないでしょうか?

多くの場合には、その治療を行うと見る見る体力が衰え、強く副作用がでて治療が困難になり、期待しない結果になることがあります。

がんの治療の場合には、一人の患者さまで、違う治療をおこない比較することが不可能であるのでなんともいえないのですが、ホッファーらが提唱する分子整合栄養医学的なアプローチを行うことによって、生存日数が長くなることは確かめられているのです。

それは、標準治療に併用した場合でも効果が明らかですし、単独で栄養療法を行った場合でも標準治療よりも生存日数が長期化することは確かめられているのです。
| ひとりごと | 14:40 | comments(0) | trackbacks(0) |


ホッファー先生とガン治療
僕が行っている治療法の基礎になる学問は、分子整合栄養医学というものです。
日本の大学では、この学問を教える講座はどこにもありませんので、日本中のお医者さんはどんな内容なのか知りません。僕も9年前まで知りませんでした。そして今でも、その学問のほんの一部を勉強しているにすぎません。

しっかりとした学問ですから、国際学会があります。
その学会が発行する雑誌の編集長をしているのが、精神疾患にたいする栄養療法で有名な、カナダのエブラム・ホッファー博士です。

1950年代から精神科の医師として治療に携わり、多くの精神疾患の患者さまへ分子整合栄養療法を行ってきました。僕も3年前にホッファー先生のクリニックへ見学へ行ったのですが、普通の小さな精神科クリニックというかカウンセリングだけを行うオフィスというものでした。

そんな生粋の精神科医であるホッファー先生は、いまでは多くのガンの患者さまを栄養アプローチで治療されています。見学に行ったときにも、数人のガン患者さまがうつ病や統合失調症の患者さまに混じって診療をうけていました。

このブログでは、幾つかの書物や文献を参考にお話しすることも多くなります。
その1つが、ホッファー先生と2回のノーベル賞受賞者のライナス・ポーリング博士の共著である、『Healing Cancer』(Complementary Vitamin and Drug Treatment)という本です。

その本には、医者になる前には純粋な科学者であったホッファー先生ならではの、とても科学的な事実に基づいた分析結果などが書かれています。
手術や化学療法や放射線療法だけを唯一の治療法と考えるガン専門医には、とても受け入れられることが出来ないデータもありますが、それも事実なのです。

少しずつ、ご紹介できればと考えています。
| ひとりごと | 12:21 | comments(0) | trackbacks(0) |


がんと栄養の始まりです
みなさま、始めまして。
新宿と日本橋で栄養療法を診療に取り入れている溝口と申します。
統合失調症やうつ病、パニック障害、低血糖症などの、いわゆる精神疾患と栄養の関係についてブログを書いています。
こちらのブログをお読みいただいている方の多くもそちらのブログをお読みいただいている方々ではないかと思います。

こちらのブログでは、ガン(がん・癌)と栄養の関係についてをお伝えいしたいと思っています。

僕ががんを身近に感じるきっかけになったのは、高校3年の時に祖父がすい臓がんを患った時です。祖父はがんが見つかったときには、すでに末期で手遅れの状態でした。
入院した病院が通っていた高校のすぐそばであったことから、ほぼ毎日下校途中に祖父の病室を訪れていました。それは見舞いというよりは、初めて祖父からゆっくりと話を聞くことができる機会であったためのようでした。
戦争中の話、終戦後の大変な時代の話、広島から神奈川県へ出てきた頃の話、友人が災害に遭い助けたときの話・・・。どの話も新鮮で始めて聞く話ばかりでした。

ところが、祖父は自分が末期のがんで入院していることを伝えられていませんでした。
そのため、どうして入院して治療しているのに、体の調子が悪くなるんだろう?と不思議に思い、高校生であった僕にもその気持ちと疑問を話していました。

本人に伝えていないので、祖父も自分の親も祖父の前では何事も無いように振舞わなくてはなりません。病室を出てから、こらえきれずに涙を流しているのです。
これまでの感謝の気持ちや本当に伝えたいことを伝えられず・・・祖父もおかしいと思いながらも、誰にも聞くことができない・・・・。
病態がいよいよ悪くなってからは、とても不自然な雰囲気が祖父を覆うようになってしまったのです。
がんの最後は、手足が急激に細くなりガリガリに痩せてしまうことが多くあります。
このブログでもがんの末期にはどうして手足が細くなってしまうのか?

その分子栄養学的な理由についてもお伝えしたいと思います。

低血糖症のブログと併せて、このブログもよろしくお願いいたします。
| お知らせ | 15:51 | comments(1) | trackbacks(0) |


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