がん治療

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溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
がん治療において、その過程で失われる体力をどのように回復させるか、またどのように低下を防ぐのか。これらは大きな問題点であるにも関わらず、現在の治療ではなかなか考えられていないことです。
意外に、体力的なことをしっかりと補うことにより、免疫が下がらずにいられ、風邪をひきにくく元気でいる時間が長い、ということがあります。
体力を落とさないということを治療目標に取り入れるだけでも、得られることがあるのです。

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オーソモレキュラー療法
うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。
投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。
高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

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がんの治療で見落とすこと
がんを治療するときには、ついついがんばかりに眼が向いてしまいます。

がんの大きさを小さくすることに集中するがために、他の大切なこと・・・全身状態へ眼が向かなくなってしまいます。

例えば、一般的に知られている『貧血』ということもそうです。
手術で出血をして貧血になることもあります。
化学療法や放射線療法などの副作用で貧血になることもあります。

また手術や抗がん剤などの辛い治療によって食欲が落ちるための栄養障害でも貧血が生じます。

検査データでは、ヘモグロビンや赤血球数が下がるということでは、どの貧血でも一緒です。こまかくデータを解釈しなくては対応を間違えてしまいます。

今日は、ある患者さんの検査データを見る機会がありました。
両側の肺がんのため、手術ができず抗がん剤の治療をされているかたです。抗がん剤による治療と栄養療法によって劇的な改善経過を示しています。転移しているものは、かなりのがんが消失し、もっとも大きながんが半分程度まで縮小しています。
全身状態も良好なのですが、本日のデータでは貧血が進行していました。

つまりヘモグロビンが減少しているのです。
がんの活動性を示すがんマーカーや炎症マーカーは改善しているので、抗がん剤を行っている主治医の先生はなにも言わなかったそうです。

検査データを細かく診ていくといろいろな情報が見えてきました。
ヘモグロビンとは鉄を含んだタン白質です。どうもこの患者さんの貧血は、タン白質の不足を補うためにヘモグロビンに含まれいているタン白質が利用されているようです。
そして骨髄での赤血球の合成に必要な葉酸が急激に不足しているようです。

このようなことがデータから読めてくると、 貧血⇔鉄不足 という図式は成り立たなくなるのです。

そしてタン白質や葉酸の欠乏は、貧血だけでなく今後の全身状態の衰弱を予想することができる情報なのです。
今の症状のない段階での栄養障害への対応であれば、充分に問題なく改善することが可能なのです。 
| がんの治療 | 23:54 | comments(0) | trackbacks(1) |


ビタミンC大量点滴療法について
がんに対する分子整合医学的なアプローチは、基礎と臨床の両面で発達しました。

1つは、ライナスポーリング博士を中心とし基礎的な研究と臨床への応用です。
もう1つは、統合失調症への栄養アプローチで有名なカナダのエブラムホッファー先生の臨床経過です。

ポーリングの基礎的な研究結果などについては、機会を改めてご紹介することにして、今日はホッファー先生のがんへの取り組みと、ビタミンC大量療法を行っているドクターの共通の感想についてお伝えします。

精神科医であるホッファー先生は、近所にお住まいでがんで苦しまれている患者さんの精神的なストレスに対するケアや、がんの専門医からのがん患者の抑うつ状態のコントロールを行っていました。
がんを患った方々の抑うつ症状にたいして栄養アプローチを行うと、非常に高い確率で抑うつ症状が変わることに気がつきます。そして、それらの患者さんの生存率が極めて高いことを統計で確かめます。
このことが、ホッファー先生を始め多くのドクターががんにたいする栄養アプローチを始めるきっかけになりました。

そしても1つ、昨日お伝えしたように、新宿のクリニックを始め、数箇所のクリニックでがんに対しててビタミンC大量注射を行っています。
この治療を行っているドクターの共通の認識は、点滴は抑うつ症状を改善させると言うものです。
皆さん、一応に明るく前向きになられます。これは単純に、がんへの新しい治療法がわかった!!からではなく、明らかにビタミンCの効果と言えるような変化なのです。
点滴をした直後から明るくなる方もいらっしゃいます。

この変化は何なのでしょう?
その理由はハッキリしていません。
いま、がんへの点滴療法をおこなっているドクターの中での話題なのです。
| がんの治療 | 23:50 | comments(0) | trackbacks(0) |


がんに対するビタミンCの点滴療法
いままでこのブログでお知らせすることをためらっていましたが、新宿のクリニックではビタミンCを点滴することによってがんの治療を行っています。

この治療法は、僕も所属している分子整合医学の国際学会である、International Society for Orthomolecular Medicine (ISOM)でも、トピックになっていました。
そして2005年、米国立衛生研究所(NIH), 国立ガンセンター(NCI), 食品薬品局(FDA)が共同で高濃度ビタミンC点滴療法が、がんに対して有用である可能性があるという論文をアメリカ科学アカデミー(PNAS)に発表し、続いて2006年3月には米国立衛生研究所(NIH), 国立ガンセンター(NCI)や大学の研究者らが、高濃度ビタミンC点滴療法の過去における改善例をカナダ医師会雑誌に発表したのです。

これらの発表によって、アメリカではビタミンCの点滴療法を行う医師が毎年毎年、倍々の増え方をしており、最近では1万人の医師が臨床でこの方法を用いていると言われています。
当然、今後は日本にもこの方法を取り入れるドクターが増えることが予想されます・・・というか、美容の分野では多くの医師が取り入れ始めています。

ところがこの方法は、しっかりとしたプロトコルがあり大変な手間がかかる治療法です。そして使用するビタミンC製剤もアメリカからの個人輸入でしか手に入らないものを用います。
表面上、ビタミンCの大量療法としてがんに用いたときに、プロトコルの沿わない方法で治療をしたときにはなかなか結果を上げることができないでしょう。
そのようなブーム的なことで、この治療について日本で正しく評価されないような状況になってしまってはいけないと思っています。

参考文献
Chen Q et al: Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005; 102(38):13604-9

Padayatty SJ: Intravenously administered vitamin C as cancer therapy: three cases. CMAJ. 2006 March 28; 174(7): 937-942)
| がんの治療 | 23:42 | comments(0) | trackbacks(0) |


がんの発育・増殖2
がんの発育や増殖を防ぐために、自分の免疫を高めておくことがとても大切であることをお伝えしてきました。
免疫は、リンパ球などが関与するものから免疫グロブリンなど、様々な方法で私達の身体を守っています。
ここでも様々な栄養素が充分な免疫を働かせるために機能しているのですが、最も基本となるものがタンパク質です。
タンパク質については、このブログでも別のブログでも繰り返しお伝えしているのですが、とても大切な栄養素でありひどく誤解を受けている栄養素でもあります。

タンパク質は体内に吸収される時には、非常に分子量の小さなペプチドかアミノ酸まで分解され、その後体内で必要なものに生合成されます。免疫担当に必要となるアミノ酸やタンパク質も、この過程を経て再合成されます。
この体内でタンパク質を生合成するためには、メチオニンというアミノ酸が必要になります。ガンにたいする免疫だけでなく、私達の身体を維持するためにもタンパク質の生合成は必要なのです。このことから考えてもメチオニンというアミノ酸が重要であることが分かります。
世の中には大豆を原材料としたプロテイン製剤がありますが、良心的なサプリメントメーカーの製剤は、必ずメチオニンは添加しています。大豆にはメチオニンが乏しいからです。わざわざ大豆プロテインにメチオニンを添加して、動物性タンパクのアミノ酸組成に近づけている訳です。

動物性タンパクとか植物性タンパクとかの議論が常にあるのですが、その多くは肉に多く含まれる脂肪酸であるアラキドン酸の弊害についてを、動物性タンパクが悪者であるというように勘違いされていることがあります。
アラキドン酸は、炎症性のエイコサノイドの前駆物質であり、がんにとって増悪因子となる炎症やフリーラジカルの増悪因子となることは確かです。

タンパク質の不足は全ての病態の改善を妨げます。特にがんについては、全身状態を維持することが重要であるために、効果的なタンパク質の摂取がポイントになるのです。
| がん一般 | 21:19 | comments(1) | trackbacks(1) |


がんの発育・増殖
がん細胞が生じてから、実際にがんと診断されるまでは長い時間がかかることをおつたえしました。
そして一度生じたがん細胞は、ずっと同じ悪性度のまま成長するのではありません。つまり増殖をくりかえすうちに悪性度が増悪することもあれば、悪性度が減弱しながら増殖することもあるということです。
このブログの初期にお伝えした80歳代の男性などは、全く何の治療もしなかったのにレントゲン写真で見る限りがんの固まりは消えていました。このような経過は、がんの悪性度が途中で減弱していたことを想像させます。

しかし一般的にはがん細胞は増殖を繰り返すことによって、様々なストレスをうけることによって悪性度を増す傾向にあります。
この悪性度が増してしまう原因でもっとも大きなものは、宿主つまりがんの患者さんの免疫機能が低下することです。つまり栄養障害が生じることですね。免疫が低下すると風邪を引きやすくなるだけでなく、がんの悪性度を増すことになるのです。
悪性度が増悪する他の原因としては、がん細胞の分化異常が亢進することです。少し難しい話になりますが、私達の細胞の中には例えば皮膚のように、自分の細胞の分裂を繰り返すことによって、様々な異なる機能を有するようになります。これを分化というのですが、分化は充分なビタミンAが存在しないとならないのです。

免疫の破綻や分化の異常ががんの増悪に関係することを考えると、積極的な栄養状態のかいぜんやビタミンAを中心とした栄養アプローチが有効であることを理解することができるのです。
| がん一般 | 23:26 | comments(0) | trackbacks(0) |


がんの発育
がんが私たちの身体の中で発生する確率を上げる様々な条件・・たとえば喫煙など・・についてお伝えしました。そのような条件がなくてもガンは発生します。
しかし細胞レベルでがん細胞が生じたとしても、その多くは私たちの免疫機能で消滅させられます。この免疫で大きな働きをするのがタン白質ですね。

そして免疫を通り抜けたがん細胞は自ら細胞分裂を繰り返します。およそ30回という長期間にわたる細胞分裂を繰り返した結果として、始めて診断可能なガンとしての形を作ることになります。
その後は、ご存知の通り私たちの遺伝子の制御から外れた成長をします。
当然ですが、がんが拡大するためにはエネルギーや、大きさを増すためには必要な栄養素があるわけです。

がん細胞が分裂を繰り返すためにエネルギーとして必要なものの代表がグルコース(血糖)です。これはPETと言う検査をするときにブドウ糖の取り込みが強い組織を認識してがんの診断をすることからもご理解いただけるものと思います。
また、グルコース以外にも一般の細胞と同様にアミノ酸、中性脂肪、遊離脂肪酸などを拡大のためのエネルギー源として利用します。そしてそれらの栄養素は、血液を介して供給されるわけです。
ここで注意すべきは、正常細胞も同様にこれらの栄養素を自分の成長や分裂のエネルギー源として利用していることです。

そしてがん細胞の特徴として大切なことは既にお伝えしましたが、宿主つまり患者さんの栄養状態に関係なく、自らが拡大するための栄養素を血液から奪っていくと言うことです。どんなに栄養失調の状態であっても、がんは無関係に患者さんの身体から栄養素を奪うのですね。それが一番厄介で怖いところなのです。

今日も男性の胃ガン術後の患者さまの相談を受けました。
すでに転移していたので化学療法をしているのですが、体力が化学療法でも低下してしまい食欲もなくなっているとのことでした。他の施設での血液検査データでは、アルブミンが3g/dlと重度の栄養失調の状態でした。
ご本人とご家族と相談し、化学療法に耐えられる身体を作ることを最優先にすることにしました。主治医は、白血球の数で化学療法ができるかどうかを判断しますが、こちらは栄養状態で判断しています。これは大きな違いなのです。
| がん一般 | 21:41 | comments(0) | trackbacks(0) |


がんと免疫
これまでお伝えしたようにガンが生じる可能性が高くなる原因は意外と身近なところにあることをお伝えしました。
一般的にはフリーラジカルが増加するとガンの発生の危険性が増すのですが、フリーラジカルが増加したからと言って、そのような状況の方が全員ガンになるのではありません。

極端な例ですが、AIDS(エイズ)の患者さんの多くはカポジ肉腫というガンの1種に罹患します。
AIDSは後天性免疫不全症候群という名前の病気です。HIVという名前のウイルスの感染によって、免疫が働かなくなります。
免疫が働かなくなると、風邪にかかりやすくなったり、かかってもなかなか治りません。普通では感染しないような弱い最近やウイルス、カビなどにも感染してしまいます。

このことから分かるように、私たちが持っている『抵抗力』と言う感覚の『免疫』が、感染症の予防だけでなくガンの発症も予防しているということができます。
健康な我々も、もしかすると日夜発生する微小なガンを自分の免疫で殺し、いわゆるガンと分からない状態で未然に防いでいると言えるかもしれません。

どのように私たちがガンを未然に防いでいるのかについて、何回かにわたりお伝えしようと思います。
| がんの予防 | 23:11 | comments(0) | trackbacks(0) |


ガンの発生について
前回のブログにおいて、私たちの身体のなかで細胞の遺伝子異常を引き起こす原因となるものには、直接に細胞の遺伝子へ障害を与えるものと、細胞の膜などを攻撃しその結果として間接的に遺伝子異常を引き起こすタイプのものがあることをお伝えしました。

このような2つの作用によって発ガンの可能性を高めるものには、すでにいろいろことが分かっています。

○放射線・紫外線
○ある種の薬剤
○粉じん(アスベストなど)
○喫煙
○ある種のウイルスなど(ピロリ菌など)

上記のが発ガンの原因として関係があるものです。
これらの事項が発ガンに関係することは事実なのですが、いずれのものも終局的には細胞の核にあるDNAに直接障害を与えるものか、細胞膜などに障害を与えるものになります。
そしてそのいずれも活性酸素が深く関与していることが理解されるようになって来ました。

つまり発ガンの反応を抑制する ⇔ ガンの予防になるものは、活性酸素の発生を抑制すると言うことになります。
ここでの栄養素では、ビタミンA、C、Eなどが挙げられることになります。
| がん一般 | 23:46 | comments(0) | trackbacks(0) |


明らかにがんの可能性を上げるもの
駅の売店でスポーツ新聞の見出しが目に付きました。
ちょっと買うのが抵抗があるスポーツ新聞でしたが、思わず購入してしまいました。
というのも、肺がんが発見され治療のために番組を休んでいたニュースキャスターが奇跡の生還で年内にも番組に復帰するというニュースだったからです。
そうです、このブログでも大きな話題になったヘビースモーカーのご意見番の方です。

何しろスポーツ新聞の記事ですので、どこまでが真実であるのか不明なのですが、その記事の内容に沿って、一般的な事柄についてお伝えしようと思います。

肺がんの組織型が小細胞癌というタイプだったそうです。
この組織型の肺がんは、化学療法がとても効果的であることがある代表的ながんの種類です。この肺の小細胞癌とある種の白血病などは、化学療法が著効することがあるがんです。

ニュースキャスターの方の化学療法が著効し、仕事に復帰されることについては、本当に良かったと思います。そしてテレビでのコメントに期待したいものです。

さて、今日のブログのタイトルは、明らかにがんになる可能性をあげるものということです。つまりいわゆるがんの原因として認められているものです。

がんは通常の遺伝子の制御から逸脱して、制御不能な増殖をくりかすことになります。そのことが、癌がガンである所以になります。
このようなガンの特徴をしめすためには、上述のように遺伝子の異常が生じなくてはなりません。しかし我々の身体には、おかしな遺伝子の細胞をみずから殺す作用を持っていて、多くの遺伝子異常の細胞を死滅させています。

私たちの身体のなかで、細胞の遺伝子異常を引き起こす原因となるものには、直接に細胞の遺伝子へ障害を与えるものと、細胞の膜などを攻撃しその結果として間接的に遺伝子異常を引き起こすタイプのものがあります。

私たちの身体でガンが生じるための原因となるものには、上記の二つの現象に関係する物質や環境が挙げられるのです。

また機会をあらためて、具体的な物質(たばこなど)や環境についてお伝えしようと思います。
| がん一般 | 00:15 | comments(0) | trackbacks(0) |


がんについての統計学的な考え
がんは不治の病と考えられています。
やはり他の病気に比較して死へ直結していることがその原因と思います。

統計学的なことについて言うのはあまり好きではありません。たとえ改善が90%で改善しないのが10%だとしても、自分の症状が増悪し改善がないばあいには、10%であろうが自分にとっては100%になります。

それにしても、やはり確率というのは選択したり物事を理解するためにはとても重要な情報になります。
がんについてはどうでしょう?

日本では毎日約1700人ががんと診断されます。
そしてその約半数が死亡されています。

不治で死の病と考えられている、”がん”ですがお亡くなりになる方は約半数です。
その確率が高いか低いか、それは解釈によって変わると思います。

そしてもう1つお伝えすることがあります。
それは全ての死亡数にたいするがん死の割合についてです。
多くの診断技術の開発や、抗がん剤の開発、手術法の進歩・・・・。医療の分野ではがんは研究の中心です。
そんな最先端の医療の中の分野で、多くの研究費も費やされています。

ところが1980年代からがんは死亡の原因の第一になり、その後は首位の座を保つだけでなく、2位の心疾患との差が開いています。

これだけから見ても、従来の標準治療が進歩していると言っても効果的な結果を出していないと言うことができるのかもしれまえん、
| がん一般 | 22:46 | comments(2) | trackbacks(0) |


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