このところ医師からのビタミンCの点滴治療について問い合わせが増えています。
いろいろな集まりでこの治療法やその結果について話を始めたからのようです。
僕の話の録音テープを聴いて、問い合わせをいただくこともあります。
そんな中で最近続いた質問は、
『ビタミンCの点滴をしてもあまり効果がないのだけれど・・なぜでしょう?』
という内容です。
この質問については、個々のケースを十分に検証しなくてはならないのですが、一般的に高濃度ビタミンCの点滴治療の効果が乏しい場合に考えられることは・・
・十分な血中濃度に達していない
・製剤に問題がある
・全身状態が不良である
製剤については、このような治療では常に出てくる問題です。
サプリメントにしても、同じ成分なのに品質はピンからキリまで、もういろいろです。
ビタミンCの点滴に使われるものについては、、売っているサプリメントほどではないと思いますが、今後はどのようになるか不明です。
ちなみに僕らが使っているビタミンCの製剤は、アメリカの本家本元でつかっているものを輸入しています。
血中濃度については、同じ量のビタミンCを点滴しても個人差がとても大きいことと、患者さんの状態によっても大きく異なります。
特に治療初期には、できるだけ目標の血中濃度になるうように1回の点滴量や回数を調整されることで対応が可能と思います。
がんの重症度によっては、どのように工夫しても血中濃度が上昇しないこともありますが、その他の工夫をくわえることで総合的な効果が十分に期待することができます。
その他の工夫ということですが、それが全身状態の維持と深く関係してきます。
このブログの初期でもお伝えしたように、がんは究極の消耗性疾患です。
極論から言えば、がんではなかなかお亡くなりになることはありません。栄養不良やそれに伴う感染症でお亡くなりになることがほとんどです。
がんが大量の栄養素を自分の成長のために使うとき、ほとんどの場合では通常の食事からの栄養補給では全く不足してしまいます。
ビタミンCの点滴治療をがんの治療に用いる前までは、基本的に経口のサプリメントを用いてがんの患者さんへ栄養療法を行ってきていました。
それでも、通常の化学療法などだけを行っていたときよりも、明らかな全身状態の改善と余命の延長を得られていたのです。
ビタミンCの点滴治療の効果を上げるポイントになるのは、全身の栄養状態をどれだけ高いレベルに保つかということなのかもしれません。